2006年07月05日

私の秘密。

22歳の夏のこと。
サーフィンを始めて2年目の頃、一番サーフィンにはまっていました。仕事の休みを利用して日本海に波乗りに行こうと一人で出かけた時の話です。
京都から由良海岸まで飛ばして2時間、一人なので板は屋根に積まずに背もたれを寝かせた助手席にシートベルトで固定され、短い旅の無口な相棒と化していました。
山の中を結構なスピードで走り、舞鶴まで後15分程で到着するであろうトンネルの入り口辺りで人影を追い越した気がしました。
俺には霊感がまったく無いのですが、そういったものには結構食いつく性格なので、バックで引き返してみると、夜中の2時だというのにに女性が一人で歩いていたのです。
彼女はやはり仕事が終わってから舞鶴の実家に戻るために電車を乗り継いで手前の駅までやってきたらしいのですが、そこで電車が終わってしまい、仕方なく歩いて町に向かっていたのです。
俺は助手席の板を屋根に縛って、彼女を町まで送ってあげることにしました。
無謀なことをするね、と俺が言うと、本当はもっと早く仕事が明けるはずだったのが遅くなってしまい、あてにしていたタクシーも駅前で待機していなくて途方にくれて歩いていたそうです。
なんとなく彼女と意気投合し、次の日は一緒にサーフィンに連れて行ってあげました。
聞けば彼女も京都に一人暮らしをしていたので、帰りも待ち合わせをして一緒に帰りました。
そして二人は付き合うようになったのですが・・・・・・

俺には別に好きな女性ができたのです。

そのことを正直に彼女に告げると、彼女は涙を流しました。
彼女は妊娠していたのです。
堕胎してもらうようにお願いすると彼女は逆上し、つかみ合いの喧嘩になった挙句・・・・・・・・・・・・・・・・・・
思いあまって俺は彼女を殺めてしまったのです。

俺は彼女の亡骸を処分するために夜中の9号線を走りました。
最初に彼女に出会ったあの場所に彼女を埋めてあげました。
トンネルの手前のその場所しか思い浮かばなかったのです。

その後俺は結婚しました。
罪深いことですが、彼女のことは次第に記憶の中から忘れ去り、幸せな日々を送りました。

ある日のこと。家族で三方五湖に家族で旅行することになり、両親と妻は先に電車で旅館に行ってもらい、俺は仕事が終わってから車で現地に向かっていました。
真夜中の9号線をひた走り、あの場所が近づいてくると無理に彼方に追いやっていた記憶が蘇ってきました。
彼女にはひどいことをしてしまった。
悔いの残る思い出。しかも成行き上とはいえ人を殺めてしまった。
自分が何の戒めもなく生きていていられることの不思議。
そんな思いが漠然と脳裏をよぎりました。

あのトンネルの手前。彼女を埋めたあの場所。
目をつぶって通り過ぎたくなるトンネルの入り口。
夜中なのにそこに一人の子供がしゃがんで遊んでいるんです。遊んでいたんだと思います。
俺はそのまま通り過ぎ、多分5分ほど走りました。
葛藤の挙句、車をUターンして俺はその場所に戻りました。
やはりその男の子はいて、俺が近づくと顔を上げました。
「今晩はw ぼく。何してんの?」
「んー。遊んでんねん」
「・・・・・・こんな夜中に遊んでてお母さんに怒られへんのん?」
「お母ちゃんは死んだ・・・・・」
「そうかぁ・・・・・・かわいそうに。そやけどこんな暗いとこで遊んでたら怖いやろ?」
「別にぃ。いつもの事やし怖ないで」
「ふーん、そうか。勇気あんねんな、ぼく。  お父ちゃんは?」
「お父ちゃんは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お前や!」





昔、友達の間で流行った怪談まがいを成記流リアルで再現してみました。


 

posted by 成記 at 14:47| 京都 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 戯言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

CBX400F

胡楊さんにイラスト見せてくれって言われまして。
殆んど人にあげちゃったけど、そのあたり探せばひとつぐらいは出てくるだろうと多寡をくくっていたんですが、出てきたのは古いイラストが一枚。
21歳の時に描いたバイクですね。
もう、セピア色に変色しちゃって、これはこれでなんとなく年月が良い感じに仕上げてくれているんですが、せっかくPCがあるんだからと、ちょこっといじって、リリースしたての風合いを出してみました。

 
image/shigeky-2006-07-05T12:56:24-1.dataCBXC.jpg
posted by 成記 at 13:44| 京都 ☔| Comment(3) | TrackBack(0) | イラストレーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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